資金の安定化のための戦略的な金融機関対策
業種 | 製造業 |
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売上高 | 5億 |
従業員数 | 49名名 |
【コンサルティングをご依頼頂いた経緯】
社長は二代目で、主に営業と製造現場の統括をしており、役員である母親と妹が経理を担当。業界内では独自技術を持つことで高い評価を得ており、既存・新規を問わず顧客からの引き合いも多い。顧客からの要望に応えるために、設備投資による生産能力の増強や営業所の新規開設を行い、事業は順調に拡大していた。
しかし、好業績とは裏腹に毎月のように資金繰りが厳しいと経理から報告があり、疑問と不安を感じていた。社長自身は営業と製造現場で忙しく、財務状況が把握出来ずにいた為、原因究明と具体的な対策を求めてご依頼いただいた。
【分析から見えた課題】
決算資料や会計資料の分析により、入金と支払のサイト差が大きく、製品の売上入金の前に、材料費や外注費の支払を行う資金構造であり、売上が増大すればするほど運転資金が必要であることが判明した。
また、銀行からの借入自体を嫌うあまり、手元資金が不足した際には、役員である母親からの借入で補填し、その時点で必要な金額のみを銀行から調達する場当たり的な資金調達となっていた。月末の手元資金が数百万のこともあるなど、先を見据えた対応が全くされていなかった。
<課題まとめ>
【改善内容】
まずは、自社の体質について社長及び経理の方々に理解していただくため、金融機関からの借入はある程度必要であり、なぜ必要なのかを現状分析の結果に基づき十分な説明を行った。その結果、借入についての過度な嫌悪感を取り除いたことで、柔軟な対応が出来るようになり、改善策を検討する上で選択肢が大きく広がった。
その上で将来的な設備投資計画や人員計画等を盛り込んだ5ヵ年経営計画を作成。社長と共に取引金融機関全てに借入見直しの必要性、今後の計画等について説明し、数か月で立案した改善プランは完了した。
借入本数が10本以上に増えたことで、返済負担が重たいことへの対策と、運転資金の不足に対する対策の双方をクリアする必要があった。まとめたほうが返済負担を抑えられる残債については10年返済の証書借入により一本化し、入金・支払サイト差を埋めるための運転資金の不足分については、設定した枠内で自由に調達が出来る当座貸越契約を締結することで必要時に調達できるようになった。
結果的に返済額は相談前の半分以下となり、営業キャッシュフロー内に抑えることに成功し、手持ち資金が不足する課題が解決した。
<改善内容まとめ>
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